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日本の病理医のワンオペが常態化しているワケ

病理医

病理医という専門職はこの10年で少しずつ増加したとはいえ、全国でも約2000人。医師全体に占める割合で見ると約1%前後を推移しているのが現状です。
総合病院の数に対し、病理医が一人常駐できない数字です。産婦人科医や小児科医の不足は社会的にも取り上げられる頻度が高いのに対し、病理医の存在は一般的には定着していないと言えます。

そしてその専門性が臨床現場で即戦力とされている実情とは裏腹に、深刻な人手不足から、病理医の「ワンオペ」改善という課題の解決が急がれているのはご存知でしょうか?

 

 

病理医が必要とされるのはどんな時?

 

(1)解剖、解析、検証

病院で亡くなられた患者の死体の解剖や、そこから派生する薬の効果の解析、治療方法が適切だったかの検証などを行います。
これは医師のほとんどが現在進行形の病に向かうのに対し、病理医は立ち返って検証を行うのが特徴的な専門職ということを物語っています。

 

(2)組織診断

病変部の組織片や手術で摘出された検体などを顕微鏡で診断し、臨床的な観点から診断を下します。
この診断が必要となるのが、腫瘍の摘出手術などで「術中迅速診断」を行いたい時です。
病理医のいない現場ではその場での判断ができないので後日検査に回すか、手術自体を病理医の常駐している病院に回すことになります。

 

(3)細胞診断

粘膜などから採取した細胞を顕微鏡で検査し、細胞検査士とともに診断します。
細胞診断は甲状腺や乳腺外科での検査が多く、ガンの判定の決め手となる重要な診断を下す機会が増えています。

 

 

病理医がワンオペになりやすいワケとは?

 

上述の病理医三大業務の他に、学会での発表、カンファレンスの立ち合い、主治医とともに患者への診断の説明、後進の育成のための病理学の授業など、多面的に医療現場に関わる業務があります。

それらの業務を、全国で約8000ある一般病院からの検査・診断を約2000人でこなしながら並行して行っていくとなると、交代できる人員がいない上に365日ではとても足りないということ仕事量になってしまうということがよくわかります。

病理医は当直が免除されているとはいえ、土日も急な解剖や術中迅速診断に備えて待機しているため、24時間気が休まらないと言っても過言ではありません。その状態で、病理医自身の体調不良などで人員の確保を見込めない、ダブルチェックをできる相手がいないといった重大な業務を一人で抱えるプレッシャーも、病理医のワンオペを早急に改善しなければならない点と言えるのではないでしょうか。

 

 

病理医が増やせない理由

 

そこまでの人手不足が叫ばれているにも関わらず病理医が増えない背景には、病理医になるためのハードルの高さが深く関係しています。大学医学部卒業後、医師国家試験に合格し、2年間の臨床研修で様々な病状に立ち会うことが前提となっています。

そして、3年以上かつ5000件以上の病理診断、50件以上の術中迅速診断、1000件以上の細胞診断、人体病理学における3編以上の学会発表など。これらの経験を積んだ上で日本病理学会が定める専門医試験に合格しなければ病理医になることができません。

総合的に病気を判断するスペシャリストになるためには欠かすことのできない研修や臨床経験、病理解剖の経験。これらのハードルを下げれば病理医の確保はできるかもしれません。

しかし、病理医になるための水準を落とすことは、すなわち日本の医療水準の質を落とすことにダイレクトに繋がってしまうため、今後も決して下げられることはないと考えられます。

その意味では、病理医の本当の存在意義を一人でも多くの医師や国民が理解していくことが最も重要になるのではないでしょうか。

 

病理診断委託をご検討中の方はぜひ一度、淀屋橋クアトロアールクリニックへご相談ください。

 

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