国立がん研究センターが発表した日本人が生涯で「がん」にかかる割合は、男性62%、女性47%としており、つまり2人に1人は「がん」にかかるという状況にあることを示しています。もし自分ががんと診断されたらどのように対処すればいいのでしょうか。
【がんの診断を受けたら】
現代では誰もが「がん」の診断を受けても不思議ではありません。しかし実際に自分が「がん」と診断された衝撃はきっと計り知れないものでしょう。そんなショックの中で、家族や、治療費のことなど、考えなくてはいけないことが山積みになってしまいます。がでも何より優先されるべきは「自分の病気に向き合う」ことなのです。
治療を受ける本人が自分自身の病気、病状を正しく理解することで、治療を選択する場面に出会った際にも冷静に向き合い後悔の少ない選択を行いことができるようになるのです。
そこで大切となるのが「病理診断」と、自分の病状を知り、治療方針でよりよい決断をするために、専門的な知識を持った第三者に「意見」を求めることができる「セカンドオピニオン」という制度です。
【自分の病気を知る「病理診断」とは】
「病理診断」とは、病理診断を専門的に行う「病理専門医」の資格を持った医師が、病気によって変化している組織や細胞から作られたガラス標本を顕微鏡で観察して下す診断です。
例えば、胃や腸の内視鏡検査中に異常とみられる部分の組織を採取するとか、大きな腫瘍など手術で切り取って標本を作り診断されます。これは病理診断の中でも「生検組織診断」と呼ばれています。
一方尿に含まれる細胞を調べる、子宮頸部からこすりとった細胞を調べるという場合は「細胞診」と呼ばれます。
病理医は正確な病理診断をする訓練を何年も積んでおり、実際の病変組織を精査した上の診断となるため、病気の「最終診断」とも呼ばれる重要なもので、診断結果は臨床の主治医に報告され、結果を元に治療方針が決められます。
【セカンドオピニオンの重要性】
「セカンドオピニオン」は主治医から説明を受けた診断内容や今後の治療方針について主治医とは別の専門的な医師に意見を求めることです。
<セカンドオピニオンの流れ>
- ①セカンドオピニオンを希望することを主治医に申し出る。
- ②希望先のセカンドオピニオン外来に申し込みをする。
(セカンドオピニオン外来は、基本的に公的医療保険が適用されない自費診療になるため、病院によって費用が異なるので注意が必要です) - ③セカンドオピニオンに必要書類を確認して主治医に依頼する。
(検査データや画像データなど) - ④必要書類を持ってオピニオン先の病院を受診。
- ⑤受診後に結果を基にして、主治医と相談し今後の治療方針を決定する。
セカンドオピニオンは治療が始まる前に専門的知識を持つ第三者に意見を求めるものです。
「主治医を信用していないように思われないか」などマイナスなイメージを持つ方もいますが、担当医の意見を違った角度から検討することで、病気に対する理解が深まったり、別の医師の異なる言葉で説明を受けることで治療方針により納得できたりというケースも多くあります。
そういった意味でもセカンドオピニオンはより納得して治療に取り組むためのステップと言えます。
病理診断・セカンドオピニオンをご検討中の方はぜひ一度、淀屋橋クアトロアールクリニックへご相談ください。